近年、これまであたり前、これくらいは当然と考えられてきた様々な慣行が見直されてきています。
最も顕著な“慣行”の見直しは、「働き方改革」の根幹ともいえる、恒常的な残業と長時間労働の是正でしょう。
また労働時間の他にも、従業員同士の飲み会や接待、「職場対抗〇〇」という家族主義的な慣行も変わってきています。

「そんな時代じゃないですよ」

確かに、変えるべき悪しき慣行は、リーダーが決意を持って徹底的に改革すべきと思います。

…とはいえ、「悪いか」「良いか」を経験せずに即座に決めてしまうのも、一人ひとりが楽しく充実した人生を過ごす、という視点からは、勿体ない気もします。
2003年、「そんな時代じゃないですよ」がまだ会社生活において、今ほど多用されていなかった時代、私は入社して数カ月で、
担当エリアの経営者に「ゴルフコンペを開催するなら、事務局職員のあなたも参加しなさい」と言われ、
私は「いや、ゴルフクラブを持っていないので…」と答えると、
経営者は「私の使っていないクラブをあげるからそれは大丈夫だ!じゃあ、コンペに出れるね!」とあっさりと、私の逃げ口上を塞がれました。
そして、4月に入社、数カ月後には、名立たる経営者の方々と一緒にゴルフコンペに出ることになったのです。

今なら「そんな時代じゃないですよ」と言われそうなエピソードですが、
半ば強引にお誘い頂いたゴルフは、今ではレッスンに通う程の楽しい趣味になりましたし、
何より、経営者の方々と「顧客」と職員として接するだけではなく、
共通する趣味の「仲間」として接して頂ける関係を築けるようになったことは、
私にとっては人生を豊かにする一つの大切な出来事でもありました。

「今はそんな時代じゃないですよ」…という前に一歩踏み出してみれば、そんな嫌なことだけが起こるとは限らないかもしれません。

-一般社団法人茨城県経営者協会 採用・求人担当 後藤